本地区は、中野市の北端を南北に流下する夜間瀬川左右岸に位置し、標高480メートルから310メートル程の西面傾斜をなしている。昭和40年代前半、県営および団体営畑地かんがい事業により、本地域の畑地かんがい施設を完備した。以後、ぶどう、りんご、ももなどの果樹を主要作物とし、園芸王国長野の先導的役割を果たしてきた。
しかし、昭和60年代入り、水源とする千曲川の河床低下が著しくなり、安定した取水が困難になってきた。
このため、昭和63年に県営かんがい排水事業中野地区として事業採択され、中野揚水機場の全面改修工事、竹原機場を始めとする11機場で、老朽化したポンプを更新、中野機場から各機場の情報を監視する集中制御システムの導入、また末端散水の自動化が遅れていた夜間瀬川右岸290ヘクタールについても散水の自動化工事等を実施した。これらの工事を実施することにより本地区741ヘクタールの受益地において取水から配水、配水から散水までを自動的に行えるようになった。
これらの工事により合理的な水利用と散水作業の省力化が可能となり、安定的な営農基盤が確立された。
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